アルミ缶の上で樽未完

そこら辺のいちゲーマー/TCGプレイヤー”たるる”のメモ的な何か。所属コミュニティ「パンデモMTG部」の身内MTG大会「パンデモ杯」についてもあれこれ。

デッキテク:『グルール《サルカンの封印破り》』(第19回パンデモ杯オンライン優勝)

「漢はやっぱり、《ギガントサウルス/Gigantsaurus》なんですよね。」

 

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第19回パンデモ杯オンライン(GRNスタンダード)にて、見事優勝したエルネストはそう語る。

 

 

エルネストの『グルール《サルカンの封印破り》』

 

クリーチャー:24
4:《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》M19
4:《大物群れの操り手/Drover of the Mighty》XLN
4:《鉄葉のチャンピオン/Steel Leaf Champion》DOM
4:《業火のヘリオン/Inferno Hellion》M19
4:《ギガントサウルス/Gigantosaurus》M19
2:《殺戮の暴君/Carnage Tyrant》XLN
2:《原初の飢え、ガルタ/Ghalta, Primal Hunger》RIX

呪文:13
2:《ヴァンスの爆破砲+火を吐く稜堡/Vance's Blasting Cannons+Spitfire Bastion》XLN
1:《苦悩火/Banefire》M19
4:《未踏地への進入/Enter the Unknown》RIX
4:《サルカンの封印破り/Sarkhan's Unsealing》M19
2:《重力殴打/Gravitic Punch》GRN

土地:23
15:《森/Forest》GRN
4:《森林の地溝/Timber Gorge》M19
4:《根縛りの岩山/Rootbound Crag》XLN

サイドボード:15
4:《蔦草牝馬/Vine Mare》M19
4:《レギサウルスの頭目/Regisaur Alpha》XLN
4:《押し潰す梢/Crushing Canopy》GRN
3:《溶岩コイル/Lava Coil》GRN

 

 

パンデモMTG部の環境は、世間のメタとは全く異なり、何が飛び出てくるか想像もつかない。そんな中で勝ち上がるため、自分のカードパワーを押し付けるプロアクティブなデッキ選択は、正解の一つであることは間違いないだろう。

 

《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》からの2ターン目《鉄葉のチャンピオン/Steel Leaf Champion》というパワフルな動きをする緑単の『鉄葉ストンピィ』をベースとしたこのデッキは、赤をタッチし《サルカンの封印破り/Sarkhan's Unsealing》を搭載することで、パワー4以上のクリーチャーが除去の役割をも担うようになった。相手の盤面をなぎ倒しながら巨大なクリーチャーたちが降りていく様は、弱肉強食の理を思い出させてくれる。

 

「《鉄葉のチャンピオン/Steel Leaf Champion》、《ギガントサウルス/Gigantosaurus》の緑シンボル要求が強く、対して赤マナは1点出ればいいので、《山/Mountain》は入れていません。タップインでも赤・緑両方の出る《森林の地溝/Timber Gorge》を優先しました。」

 

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そしてなんとこのカード、パワー7以上のクリーチャーを唱えると、全体除去+直接火力としても働く。赤単や白単などのアグロデッキに対して、自分は脅威を叩きつけながら相手への回答を、しかもメインデッキから行えるという利点は計り知れない。さらに4点というダメージは、《奇怪なドレイク/Enigma Drake》・《弾けるドレイク/Crackling Drake》をまとめてなぎ倒せるのだ。

 

しかし、パワー7を持つクリーチャーは相応にマナ・コストも重いものが多い。そこで《業火のヘリオン/Inferno Hellion》・《ギガントサウルス/Gigantosaurus》に白羽の矢が立った。


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《業火のヘリオン/Inferno Hellion》は、攻撃またはブロックに参加した場合ライブラリーに戻るという中々なデメリットを持つ。しかし、《サルカンの封印破り/Sarkhan's Unsealing》によって登場時にブロッカーをなぎ倒し、次のターンに1度だけでもアタックすることができれば、相手のライフを10点近くは削り取れるだろう。タフネスが3と低く《稲妻の一撃/Lightning Strike》で倒されてしまうが、相手に与えるプレッシャーはそれ以上に違いない。

 

クリーチャーのサイズを活かした、もう1枚のフィニッシャーが《重力殴打/Gravitic Punch》だ。

 

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『ラヴニカのギルド』で収録されたこのカードは、まるで”投げ飛ばさない”《投げ飛ばし/Fling》である。《ギガントサウルス/Gigantosaurus》ならば10点。イゼット団が誇る最新技術「再活」を用いればもう10点で、相手は重力に耐えられず潰れてしまうだろう。イゼット団の知恵と技術を持ってしても、最終的にはやはり暴力ということなのだろうか。

 

「ドローサポートが《未踏地への進入/Enter the Unknown》なのは、《封印破り》と《重力殴打》がエンドカードなのに、他の《恐竜との融和/Commune with Dinosaurs》・《冒険の衝動/Adventurous Impulse》だと、それらを手に入れられないから。+1/+1カウンターを乗せることで、《鉄葉》を《溶岩コイル/Lava Coil》圏外に、サイド後の《蔦草牝馬/Vine Mare》を《轟音のクラリオン/Deafening Clarion》圏外に逃がしたい気持ちも。」

 

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一見裏返ることのなさそうな《ヴァンスの爆破砲+火を吐く稜堡/Vance's Blasting Cannons+Spitfire Bastion》については、

 

「手札を使い切るので何かドロー補助は入れたくて、この枠は《巨大な威厳/Colossal Majesty》・《形成師の聖域/Shapers' Sanctuary》と迷ったけど、両方とも相手次第で全然引けない事、1マナ枠や3マナ枠は他に優先したい動きがあることで敬遠した。《爆破砲》を唱えられるなら、デッキトップで捲れたカードもだいたい唱えられるだろう。置くターンが弱いのは頭が痛い。後半ハンドで腐りがちなマナ・クリーチャーや《未踏地への侵入》を連打して変身することもないこともない(笑)。」

 

と、明確な採用理由を語ってくれた。

 

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続く『ラヴニカの献身』には、《踏み鳴らされる地/Stomping Ground》をはじめ、グルール族のカードも多数収録される。

エルネストのこのデッキが、さらなる進化(脳筋になるのでどちらかと言うと退化?(笑))を遂げるのが楽しみだ。