アルミ缶の上で樽未完

そこら辺のいちゲーマー/TCGプレイヤー”たるる”のメモ的な何か。所属コミュニティ「パンデモMTG部」の身内MTG大会「パンデモ杯」についてもあれこれ。

デッキテク:『ナヤ・モンスター』(第37回パンデモ杯優勝)

また今月も、パンデモ杯の週がやってきた。

 

今回のフォーマットはスタンダード構築。エルネストが《サルカンの封印破り/Sarkhan's Unsealing》で数多の敵を焼き払い優勝した前回の12月から約3ヶ月、『ラヴニカの献身』を経て、此度は一体どんなアーキタイプが優勝を飾ったのだろうか。

シミック・ネクサス?

スゥルタイ・ミッドレンジ?

はたまた赤単?

いやいや、まさか。このパンデモMTG部の環境をナメてはいけない。世間のメタゲームなど気にもとめず、皆が思い思いの構築デッキを持ち込むのがお決まりの当大会だ。ここでは《弧光のフェニックス/Arclight Phoenix》に怯える必要も、《舞台照らし/Light Up the Stage》で土地2枚が捲れることを祈る必要も、《運命のきずな/Nexus of Fate》を連打される時間を潰すマンガを持ち込む必要さえもない。

この環境こそ、まさに伏魔殿、いや万魔殿であるとも言えるだろうか。

 

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(MTGAのPandaemoniumルール、面白いよね) 

  

では早速見てみよう。これが名誉ある優勝を飾ったデッキだ!

 

 

けさらんの『モンスター』

 

クリーチャー:27
2:《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》M19
2:《僧帽地帯のドルイド/Druid of the Cowl》M19
2:《再利用の賢者/Reclamation Sage》C18
3:《蠱惑的な船員/Captivating Crew》XLN
3:《蔦草牝馬/Vine Mare》M19
3:《カル・シスマの恐怖、殺し爪/Goreclaw, Terror of Qal Sisma》M19
3:《業火のヘリオン/Inferno Hellion》M19
1:《再燃するフェニックス/Rekindling Phoenix》RIX
3:《厄介なドラゴン/Demanding Dragon》M19
3:《殺戮の暴君/Carnage Tyrant》XLN
2:《殲滅の龍、パラディア=モルス/Palladia-Mors, the Ruiner》M19

呪文:9
3:《溶岩コイル/Lava Coil》GRN
2:《轟音のクラリオン/Deafening Clarion》GRN
4:《サルカンの封印破り/Sarkhan's Unsealing》M19

土地:24
6:《山/Mountain》GRN
6:《森/Forest》GRN
4:《根縛りの岩山/Rootbound Crag》XLN
3:《聖なる鋳造所/Sacred Foundry》GRN
3:《陽花弁の木立ち/Sunpetal Grove》XLN
2:《探知の塔/Detection Tower》M19

サイドボード:15
2:《トカートリの儀仗兵/Tocatli Honor Guard》XLN
3:《打ち壊すブロントドン/Thrashing Brontodon》RIX
3:《無効皮のフェロックス/Nullhide Ferox》GRN
2:《稲妻の一撃/Lightning Strike》M19
1:《轟音のクラリオン/Deafening Clarion》GRN
3:《イクサランの束縛/Ixalan's Binding》XLN
1:《探知の塔/Detection Tower》M19

 

 

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おや?掲載するリストを間違えてしまったかな。とうに『ラヴニカの献身』は発売し、流石にパンデモ部環境といえど、『献身』の新しいカードをふんだんに使ったデッキが溢れているはずだからね。(勿論僕のデッキも《血の墓所/Blood Crypt》で安定したマナ基盤を獲得し、《批判家刺殺/Skewer the Critics》や《舞台照らし/Light Up the Stage》によって手数・ダメージ効率を倍増させた『ラクドス・バーン』だった。)

 

 

いやしかし、優勝デッキのリストはこれで正しいようだ。

そう!そうなのだ!

本人曰く「調整の時間が足りなかったので、前回時のままのリストで出たら勝ってしまった」とのことだが、なんと《プテラマンダー/Pteramander》や《災いの歌姫、ジュディス/Judith, the Scourge Diva》を押しのけて頂点へと上り詰めたのは、《サルカンの封印破り/Sarkhan's Unsealing》についてエルネストとは違うアプローチを仕掛けた、けさらん謹製の『ナヤ・モンスター』だ!

 

2期連続して同じグルール色のクリーチャーデッキが優勝を遂げることになるとは、誰が想像しただろうか。

緑単ストンピィをベースとし《鉄葉のチャンピオン/Steel Leef Champion》・《ギガントサウルス/Gigantsaurus》による暴力を主体としたエルネストのデッキと異なるのは、なんと言っても白がタッチされている点だろう。

 

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《サルカンの封印破り/Sarkhan's Unsealing》の全体4点モードは全体除去としてはあまり当てにせず、しっかりと《轟音のクラリオン/Deafening Clarion》を採用することで赤単のような素早いデッキにも間に合うようになった。更には絆魂付与によって押されたライフをもりっと回復し、相手の戦意を削ぐこともできる。

全体3点に巻き込まれる《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》・《僧帽地帯のドルイド/Druid of the Cowl》の枚数は抑えめになっているが、《鉄葉のチャンピオン/Steel Leef Champion》は居ないのでさしたる問題ではないのかもしれない。

 

全ての除去を《サルカンの封印破り/Sarkhan's Unsealing》に託しているわけではないため、《溶岩コイル/Lava Coil》も単体除去としてしっかりと投入され、序盤の動きは除去に寄っている。そのかわり4マナに達してからは、パワフルなクリーチャー…いやモンスターたちを連打することで盤面を制圧することができる。 

《カル・シスマの恐怖、殺し爪/Goreclaw, Terror of Qal Sisma》は《稲妻の一撃/Lightning Strike》によってたった2マナで除去されてしまうが、生き残りさえすれば後続をしっかりとサポートしてくれ、相手は持っていたのが《ショック/Shock》であったことを後悔することだろう

 

《蠱惑的な船員/Captivating Crew》・《厄介なドラゴン/Demanding Dragon》は相手の壁が厚い場合にいぶし銀の性能を発揮する。

 

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パワー4、5では《サルカンの封印破り/Sarkhan's Unsealing》は単体4点しか与えられないため、相手のクリーチャー全てを焼き払いながらライフを攻め続けるのも難しい時があるかもしれない。そうして相手の場に残ってしまった手の付けられないクリーチャーをなんとか乗り越えてくれるのがこの2人だ

大会当日も、《蠱惑的な船員/Captivating Crew》が相手のクリーチャーを略奪し、踊る姿が何度も見られた。

 

もしこのデッキが『献身』のカードで強化されていたら…と思うと夢が膨れる。

《野生の律動/Rhythm of the Wild》や《スカルガンのヘルカイト/Skarrgan Hellkite》は噛み合うだろうか?

《混沌をもたらす者、ドムリ/Domri, Chaos Bringer》は?

 

 

次のスタンダード構築は予定通りならば6月、『灯争大戦』をも加えたGRNシーズンの集大成だ。

次回僕が記事を書くアーキタイプは、もしかしたらキミのデッキかもしれない。